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2008年11月10日 (月)

それは債権譲渡にあらず(SFCG一括返済問題)

 まず、先月コメントいただいた皆様へ、お詫びです。ココログのシステム障害時と重なったためか、コメント書き込みメールが、先月は私の元へ届きませんでした。当ブログの基本方針は、紳士な書き込みである限り、当ブログの内容への批判、反対であっても、すべて公開しております。非公開コメントとなるのは、営業的書き込みなどの場合と、迷惑トラックバックに限っております。
 今回、いただいたコメントの公開が遅れたのは、システム障害によるもので、他意なきことをご理解下さい。

 それでは本題に入らせていただきます。
 TBS報道特集にて、SFCGの貸しはがし問題が、毎週のように取り上げられています。その中で、先週08年11月8日放送分の中で、債務者の取引先(第三債務者)に、SFCGから債権譲渡通知が送付されたという事案がありました。この債権譲渡通知により、債務者の信用不安が発生し、取引停止に追い込まれたとのことです。
 これに対しする債務者側弁護士のコメントが気になりました。弁護士いわく、債務者の許可もなく、勝手に債権譲渡通知を出すのは、問題だと。
 このコメントについては、、???・・・です。
 そもそも、債権譲渡通知は、債権者(債権譲渡人)が、債務者(債権譲受人から見て第三債務者)に送付するものです。債権譲受人が、債権譲渡通知を第三債務者に送付しても、何の法的効果もありません。
 これを、上記のSFCGの例にあてはめると、(取引先の債権者である)SFCGの債務者が、取引先(債務者・SFCGから見ると第三債務者)に、債権譲渡通知を送付することになります。
 この点確かに、法律を知らない人間(というより知ったかぶりした人間)は、債権譲受人から、債権譲渡通知を送付してしまう場合があります(ご丁寧にも内容証明郵便で)。
 しかし、法律の明文上(民法467条)債権譲渡通知は、債権者から行うことになっていますし、判例は、債権譲受人が債権譲渡人に代位して債権譲渡通知した場合、そのの効力を否定しています(大審院判例昭和5年10月10日)。
 従って、今回のSFCGの例でいえば、SFCGが債権譲渡通知を取引先へ送付することは、法的はまったく無意味ということになります。
 それにもかかわらず、弁護士のコメントは、あたかも債権譲渡通知自体は、有効であるかのごときです。弁護士であるならば、まず本件のような債権譲渡通知は、まったく意味をなさないことを指摘すべきといえます。もし、指摘していたにもかかわらず、編集でカットされたのであれば、TBSのレベルを疑います。
 思うに、マスコミ関係者の法的レベルが低いことは、大きな問題であると考えます。裁判員制度が来年スタートするというのに、裁判員制度と陪臣制、参審制との相違を解説した番組を見たことがありません。陪臣制、参審制との相違がはっきりすれば、裁判員制度の重大な問題点が、明らかになるはずです。
 たとえば、一般人が量刑まで判断することが、司法権の法原理機関制、純理性に反しないかという問題、被告人の裁判を受ける権利を害しないかという問題があります。
 このような、法理念からの問題点はひとまず措くにしてにも、そもそも何のための裁判員?という大問題があります。以下、具体的に説明します。
 今回の裁判員制度では、裁判員制は第1審に限られ、しかも検察官控訴が可能です。ということは、検察官が事実認定、量刑に不満足であれば、常に控訴可能で、結局、控訴審、上告審の判断で事実認定、量刑が決定することになります。そうすると、司法に国民の意識を反映させるといったところで、裁判員が判断しない控訴審、上告審の意思が最終的な成果物になるのですから、第1審限りの裁判員では、何の意味もなさないことになります。つまり、裁判員制度を導入するのであれば、裁判員の判断に対しては、検察官控訴を否定しなければ、司法への国民参加は、第1審限りのお飾りということになります。第1審で裁判員がどのような結論を出そうと、検察官控訴が可能である限り、職業裁判官が最終決着をつけることになるのです。
 また、裁判員制度の下、一般国民が無罪、有罪の場合の量刑を決定したのですから検察官が、有罪判決を求めて、あるいは、重い量刑を求めて控訴することは、刑事裁判の鉄則=「疑わしい場合は、被告人の利益に」に明らかに反します。
 このように、検察官控訴を認めたままの裁判員制度の問題について、誰も問題提起を行わないのは何故なのでしょうか。故筑紫哲也キャスターのご意見を伺ってみたいところです。

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