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2009年1月 4日 (日)

この自白は、もう駄目(東金市幼女殺人事件)

 千葉県東金市幼女殺人事件の被疑者逮捕(08年12月6日)から、1ヶ月が経過しました。それにもかかわらず、決定的な証憑も現れず、自白頼りの捜査が続いています。
 死体遺棄での勾留期限が切れ、現在は殺人被疑事実で勾留中です。このままの状況で、果たして起訴できるのか非常に疑問ですが、それ以上に、取って付けたような別件被疑事実で、再逮捕・再勾留が繰り返されることが懸念されます。もし、さらに別件被疑事実で再逮捕・再勾留が行われるようであれば、それは、もはや違法な別件逮捕・勾留と言うべきでしょう。
 

 今後、新たな逮捕勾留が行われれば、その時点で違法な別件逮捕・勾留と言わざるを得ませんが、現時点においても、もはや被疑者の供述(自白)は、使い物にならないと考えられます。なぜならば、供述の変遷過程から、それが捜査官の誘導によるものであることが、強く推測されるからです。
 これは、冤罪事件に共通して見受けられる傾向です。
 それでは、どの点が、不自然な供述の変遷なのでしょうか。
 以下、読売新聞サイトからの引用記事です。(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090104-OYT1T00393.htm?from=main1

>捜査幹部によると、勝木容疑者はこれまで、「女の子に帰りなさいと言ったのに、聞か>なかったから、カッとなった」と供述していた。しかし、最近になって、「自宅に連れて来>てすぐに、『帰りたい』『帰らせない』というやりとりになり、浴槽に沈めた」との内容の供>述をするようになったという。

 当初、被疑者は、
「女の子に帰りなさいと言ったのに、聞かなかったから、カッとなった」
 と供述していました。
しかし、この供述は、余りに不自然です。帰宅を促す心理(女の子を大切に扱う心理)と、殺害した行為が、矛盾するからです。帰宅を促したにもかかわらず、帰宅しようとしなかったのであれば、親権者に連絡するなり、警察に連絡するなりの措置を取るのが自然です。
 おそらく、捜査側も、この矛盾に気がついたのでしょう。
 そこで、今度は、
「自宅に連れて来てすぐに、『帰りたい』『帰らせない』というやりとりになり、浴槽に沈めた」
 との供述が登場しました。女の子の帰宅を防ぐため、殺害に及んだのであれば、話の筋としては自然です。
 不自然な供述が出ると、それが自然な形に修正されて行くことは、典型的な捜査官による誘導です。
 あるベテラン捜査官の回想です。「捜査官の思った通りに変遷して行く供述は、もはや使えない」と。
 真実の供述とは、どうでもいい部分が、客観的事実と合致するとのことです。それを、見極めるのが、プロの捜査官だそうです。
 この事件を見ると、捜査側の考えるストーリーに従って、供述が作られ、それが客観的事実に符合しないと、次々に供述が修正されていく傾向がうかがえます。これは、典型的な冤罪事件の自白パターンです。
 そもそも、千葉県警は、昨年12/14に、被疑者宅の浴槽から毛髪を採取し、DNA鑑定を実施しています。民間のDNA検査機関に依頼した場合でも、検査期間は1週間程度です。それにもかかわらず、3週間も経過しながら、なぜ、DNA鑑定の結果が出来てこないのでしょうか。もし、被害者のDNAと一致する毛髪が、まったく検出されなかったとしたら、余りにも不自然です。もしそうならば、直ちに被疑者を釈放すべきでしょう。

 この事件が、裁判員制度の下で裁かれるとしたら、一体どのような判決になるのでしょうか。わずか3日で審理できる事件とは、とても思えません。適正な刑事手続で裁判されることを祈るばかりです。
  

 

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