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2010年9月15日 (水)

押尾学裁判その2(コメントへのお答え)

昨日(平成22年9月13日)付け記事につき、コメントを頂きました。この都度は、ご訪問有難うございました。大変興味あるコメントでしたので、ブログ記事として、公開させていただきます。以下がその内容です。

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弁護側の医者の救命可能性は非常に低かったという証言がどれだけの重みを持つか、私は有罪判決が出ると思いますよ。まず、女性が薬を持ってきたという押尾の証言がまるで信憑性がないこと、押尾が薬を渡せば保護責任が生じるという論理が成立するとすれば、虚偽の証言をしている押尾は大変に不利になる。司法判断は大変に主観的なものです。だから、裁判官一人の判断でなく、国民から選んだ裁判員を参加させて、すこしでも客観的なものにしようと努力していると思うのですが。ともかく、判決が出れば答えがあきらかになります。私は実刑5年、執行猶予取り消しの1年半をくわえて、6年半とみています。

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 このコメントにつき、私が興味を持ちました点は、次の部分です

    「司法判断は大変に主観的なものです。」

 そもそも、モンテスキューがその著書「法の精神」で述べております通り、「裁判官は法を語る口です。もちろん、現代においては、複雑な法解釈が必要となりますから、100%機械的に法を語ることは出来ません。解釈を通じて、裁判官自身の感じている時代の感覚が反映されることはあります。
 しかし、それはあくまでも、法的な理由付けが必要であって、主観的判断ではありません。これがまさに、法の支配です。法の支配における法とは、何か特定の法を指すわけではありません。それは、人の支配に対するアンチテーゼなのです。
 もちろん、日本国憲法は、法の支配を採用していますから、現憲法下において、人による恣意的支配が認められる訳ではありません。
 しかし、政治部門(国会、内閣)の政治判断は、好き嫌い通用する世界です。理由は不要です。まさに、「理屈はは後から貨車に乗ってやって来る」(春日一幸)のです。これが主観的判断です。従って、政治部門こそが、主観的判断なのです。
 これに対して、司法は法原理機関であって、純理性が求められす。そこで行われる判断は、客観的判断です。このことは言い換えたのが、「法を語る口」です。これは、法学部1年の法学において、必ず学ぶことです。単独審であろう、合議審であろうと、裁判官が行うのは、法的判断であって、それは「裁判所」の判断です。裁判官の判断ではありません。
 しかし、時に、法的判断に徹するあまり、その時代における価値感と齟齬を生じる場合があります。それを補うのが、裁判員制度です。
 それゆえ、押尾事件で考えるのであれば、救命可能性につき、医学的判断(いうまでもなくこれが客観的判断です)にこだわるあまり、一般人として確実な救命が出来たどうかの判断を疎かにするおそれがあります。これを避けることが裁判員の役割です。
 さらにいうなら、争点にはなっていませんが、救急車を呼ぶ以外の他の救命行為(心臓マッサージ、人工呼吸)を取ったことが、一般人にも有りうることかどうかの判断も必要です。
 つまり、同じ状況に陥った場合、一般人であれば、100%救急車を呼ぶのであって、他の救命行為は絶対に取ることはないと、合理的疑いを越えて判断されるかです。もし、心臓マッサージを選択することも有りうるなら、保護義務を果たしたことになります。保護義務を果たしたが、選択を誤ったことなります。よって、過失致死はともかく、保護責任者遺棄致死罪は、不成立となります。
 ところで、被害者がホステスであるにもかかわらず、その点に関しての悪性格を主張しない点で、押尾学氏に男気を感じます。
 もし、裁判において、主観観的判断が許されるなら、これを理由に、無罪判決が下っても何ら問題ないことになります。主観的判断とはそういうことなのです。
 本日は、以上です。

 

 

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