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2010年10月 3日 (日)

六法は毎年買い換える(審判員とルールブック)

 2010年も残り3ヶ月となり、年賀状印刷の広告も始まりました。この時期になると、六法全書の買い替え準備に入ることになります。
 「六法全書は毎年買い換えること」。これは、私が大学1年生のとき、民法の担当教授が、言われた言葉です。残念ながら、この通りには出来ていませんが、出来る限り毎年買い換えるようにしています。
 ところで、本日、とあるベンチプレス大会の審判員を行って来たのですが、試合中に、最新ルールブックを確認することの必要性を実感いたしました。具体的には次の通りです。
 これまでの記録が207.5kg でした。そこで選手は新記録挑戦のため、208kgを申告しました。これは平成21年改定のパワーリフティング・ルールブックでは、認められるものです。すなわち、21年改定ルールでは、「新記録は500g単位で公認する」とあります(ルールブックP32 6.)。 
ただ、同ルールブックP27にも、似たような規定があり、その規定では、「ベンチプレス世界記録(日本記録)の更新は、従来の世界記録より500g以上、上回った時にみ認められる」とあります(同P27 3.)
 ここで両者の規定の整合性が問題となります。これはP27の規定の表現の不備によるものです。P27の規定を素直に読むと、日本記録更新の場合であって、それが世界記録更新となる場合は、500gの増量が認められると解釈出来ます。
 しかし、世界記録更新なら、当然日本記録更新となるので、( )内の日本記録は意味がない記述です。「従来の世界記録より」の部分が、「従来の世界記録(日本記録)」と表記されていたならは、意味が通ります。すなわち、日本記録更新の場合は、従来の日本記録更新より500gの増量が可能ということになります。そこで、「従来の世界記録」は「従来の世界記録(日本記録)」と補って、当該規定を読むべきことになります。
 このように補足して読んだ場合、「P32 6.」「P27 3.」の、いずれが適用されても、500gの増量が可能となります。
 ところが、会場に準備されていたルールブックが平成19年改定版であったため、次のように規定されていました。
 

(a)新記録に挑戦する場合は、現在の記録より少なくとも1㎏以上必要である。この記録挑戦 の試技は、競技中の通常の試技で行わなければならない。
 
ただし、2.5㎏の倍数で原則進行するので、500gの増量もありうる。
 例えば、現在102㎏が記録の場合、102.5㎏では500gしか増量されていないが、2.5㎏の倍数のため、新記録として認められる。
 例:現状の記録が100㎏である場合、リフターは以下の試技を行える。
 第1試技  第2試技  第3試技
 101㎏   102㎏  102.5㎏
 

    

 

 この規定を適用すれば、従来記録の207.5kgに1kgを加えて、208.5kgの挑戦が可能となります。
 ところが、これをさらに、誤解して、2.5kg増量しか認められないと、審判員、陪審員が判断してしまったのです。その結果、210kgへ挑戦という形になりました。
 幸いに、210kgをクリア出来たので、結果的には、トラブルとなりませんでしたが、もし、失敗していたら、大問題です。2重のミスがあるからです。
 まず、平成21年ルールを適用しなかったこと。次に、平成19年ルールの解釈適用を誤ったことです。
 この点については、そもそも日本パワーリフティング協会のHPに、平成19年までのルールしか掲載されていないことが、極めて問題視されます。常に最新ルールブックを、アップしておくのは、義務です。これでは、国体参加など、とても覚束ないことです。
 ルールブックについては、先に指摘いたしました通り、内容的にも問題があります。形式的にも、実質的にもです。実質面は先に指摘した部分がまさにそうですが、形式面でも、条文、項番立てが全く出来ていません。ルールブックである以上、第何条第何項という形式で規定される必要があります。
 パワーリフティングという競技が一般化するには、ギア問題の他、協会内部の事務管理も問題なのではないかと思います。正直なところ、仲良しクラブ的な面があることは否めません。
 私事ではありますが、来年1月から、東京都協会の理事になることが、内定しております。少しずつでも、選手が競技し易い大会を目指して、改善を進めることが出来ればと考えております。
 本日は、以上です。

 
  
 
 

   

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コメント

関東大会なのに、ルールを理解されてない審判ばかりだったのは残念ですね
500g増量可は、ほとんどの選手、審判が知っているはずです

パワーリフターさま
管理人です。
コメント有難うございます。
各審判員が、記録更新可能な増量を、、
理解出来ていな買った点は、
真に残念です。私も含めて反省材料です。
現場で確認していたルール・ブックが、
平成19年版であったことも問題ですが、
JPAのHPにも、同年までしか、
アップされておらず、
平成21年版がアップされていない点も、
極めて問題かと思います。
JPAの技術委員会は、
この点しっかりフォローして頂きたいところです。

今回は、210kgを成功させたから、
結果的にトラブルにはなりませんでしたが、
もし、失敗していたら、大きく揉めていたことと思います。
審判員は常に新ルールを、
勉強しなければならないと実感した一日でした。
以上です。

投稿: パワーリフター | 2010年10月12日 (火) 午前 11時34分

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