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2011年4月 4日 (月)

震災と迅速な裁判を受ける権利(有罪を前提に考えるな)

 震災と迅速な裁判を受ける権利の関係といっても、あまりにも唐突かも知れません。しかし、裁判員制度があるため、関連性が生じてしまったのです。
 本震災により、裁判員の招集が出来ないため、審理が出来ない裁判員裁判事件が多く発生しているらしいのです。
 確かに、天災に起因する遅延ですから、致し方ない部分もあります。しかし、裁判所自体は機能しているのですから、裁判員制度がなければ、生じない遅延です。もちろん、だからと言って、直ちに被告人の迅速な裁判を受ける権利が侵害されたとまでは、言えないでしょう。とはいえ、身柄拘束されている場合は問題です。
 この点について、未決勾留日数を差し引けば良いとのコメントもあるようです。しかし、この考え方は、被告人が有罪であることを前提としている点で問題があります。無罪を主張する被告人であれば、さっさと決着をつけて、未決勾留から解放されたいと思うのが普通です。また、有罪の場合でも、執行猶予率の高さからすれば、やはり早めに裁判を終わらせて、一般社会へ早期復帰を考えるべきです。
 そもそも、裁判員制度で迅速な裁判が可能となったのかというと疑問です。確かに、公判手続そのものは、回数が減っていることが認められます。しかし、公判前整理手続きが、1年以上にわたるケースが多くあります。しかも、公判前整理手続きでは、非公開ですから、ここで実質的な論点整理が行われてしまうことは、公開裁判の原則からも疑問が残ります。
 ところで、相撲八百長問題で、処分力士が発表されました。彼らのコメントを聞いていると、一方的な処分であって、弁解の機会が全く与えられなかったとのことです。
 そもそも、不利益処分については、告知聴聞が、法治国家の大原則のはずです。日本相撲協会は、公的機関ではありませんが、今回の処分決定に弁護士も関与しながら、告知聴聞が一切行われなかったことは非常に疑問です。
 さて、この告知聴聞を裁判員制度について考えてみると、公判整理手続に、被告人の出席は求められていません。希望すれば出席できるだけです(刑事訴訟法316条の9第1項)。裁判官、検察官、弁護人の三者の内輪で話が進められる訳です。そうすると、被告人にとっては、初公判時には、既にお膳立てが出来ていて、この膳を食べるしか選択肢がないことになります。
 このような点をまとめてみると、1年以上も、未決勾留で自由を奪われ、しかも肝心の裁判では、審理促進の名の下、被告人の言い分は十分に聞いてもらえないことにないのが、現状の裁判員制度な訳です。
 これに加えて、震災で裁判員選任ができず、審理が放置されるのでは、たまったものではありません。
 このような不可抗力的な事象に対して、なんら手当がなされていない点も、立法ミスといえます。
 まともに機能出来ない制度なら、裁判員制度は、もはや廃止しかないと言わざるを得ません。本日は、以上です。

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